例祭の三枝祭(さいくさのまつり)を翌日に控えた16日、三枝祭で用いられる笹百合を三輪山から率川神社へお届けする神事が「ささゆり奉献神事」です。これはご祭神の「媛蹈韛五十鈴姫命」が三輪山の麓、笹百合が美しく咲き誇る狭井川のほとりにお住まいだった故事により、姫神様に喜んでいただくために行われるものです。
この写真は三輪山の笹百合育成に尽力いただく篤農家の崇敬団体「大神神社豊年講」の方々がご神花「笹百合」を運んでいる光景です。
当日、ご本社で奉献の安全祈願祭を斎行後、行列は「笹百合」を大切に駕籠に納めてJR万葉まほろば線の列車に乗車。JR奈良駅到着後、駅前で「ささゆり音頭」を踊った後、笹百合を乗せた花車やお囃子の社中が笹百合を描いた浴衣に菅笠姿で加わり、「ささゆり音頭」を華やかに舞いながら行列を先導します。
さらに数えの33才になる厄年の女性も笹百合を描いた半纏(はんてん)に身を包み行列に参加し、行列を盛り上げます。
この「ささゆり奉献行列」は奈良市の中心部、三条通や東向商店街を賑やかに進み、沿道の人々も温かい眼差しを向けてくれます。
そして午後12時半頃、ご神花「笹百合」はたくさんの方々に守られながら率川神社に到着すると、ご神前にお供えの後、笹ゆり奉献の奉告祭が行われ、翌日の三枝祭に美しい彩りをそえることとなります。
「三枝祭」は「ゆりまつり」とも呼ばれ、率川神社(いさがわじんじゃ)の例祭です
ご祭神である「媛蹈韛五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)」は百合の花が咲く三輪山の麓にお住まいであった故事に則り、姫神様にお喜びいただくため酒樽に「笹百合の花」を飾り、お祭りが行われるようになったと伝えられています。
祭典では巫女が「三枝の百合」を手に持ち、神楽「うま酒みわの舞」を四人で華麗に奉奏します。
また17日の午後1時15分からは七媛女(ななおとめ)・ゆり姫・稚児行列安全祈願祭が行われ、その後、色鮮やかな装束に勾玉を首に掛けた七媛女をはじめ、ゆり姫や稚児が約2時間かけて奈良市内を巡幸します。